ダイビング中にマスクに水が入ったら

ダイビングハック

経験の浅い方の大きな不安になる、マスク内の水

まだ経験の浅い頃の一番の不安の種が、マスク内に水が入ることだ、というダイバーは多いと思います。経験が増えてきて、「マスクに水が入っても、マスククリアをすればいいだけでしょ」と思えるようになってしまえば、本当になんのこともないのですが、まだ経験が浅い方や、ダイビング未経験者にとって、マスクの中に水が入ってくる、ということは恐怖でしかないかもしれません。そこで今回は、そのことにまつわるお話をしてみたいと思います。

マスクに水が入ったら行うスキル・・・マスククリア

まだダイビングをしたことがない方は、「水中でマスクの中に水が入ってきたら大丈夫なの?一度水面まで上がって、マスク内の水を捨てるの?」なんて思うかもしれません。実は、一度水面まで上がる必要はありません。水中にいながら、マスク内に入ってきた水を外に出せる方法があるんです。それがマスククリアです。やり方は簡単です。マスクを軽く顔に押し付けて、鼻息をたくさん出します。すると、マスク内には鼻息が充満して、マスク内にあった水はマスクの外に押し出されてしまう、というのがマスククリアというスキルです。

マスクに水が入ってくる原因・・・実は

マスクに水が入ってきてしまう原因は色々あります。原因として考えられるのは、髪の毛などが挟まっていた、シリコンが折れたまま装着していた、シリコン部分がフードなどにかぶっていて隙間ができていた、自分の顔の形に合わなかった、シリコンが固くなっているマスクだった、マスクのバンドがきつすぎた、緩すぎた、などです。

でも実は、マスクに水が入ってくる一番の原因は別の所にあります。それを説明するためには、簡単な水圧と体積の変化の話をする必要があります。ダイバーはずっと同じ水深にいるわけではありません。ダイバーが深い方へ、深い方へと降りていくと、それに伴って、マスク内の空気が圧縮されて、マスクがぐいぐいと顔に押し付けられていくようになるんです。普段は少しの隙間程度ならマスク内に水が入ってこないのですが、マスクが顔にぐいぐい押し付けられているようなときにマスクと顔の間に少しの隙間が出来ると、するすると外部の水がマスク内に引き込まれていくんです。これを防止するスキルが「マスクブロー」です。やり方は簡単です。マスクの中にある鼻から息を吐くだけです。ギューッと顔に押し付けられていた感覚が緩和されるのを感じるはずです。鼻息を吐きすぎても問題ありません。もうマスク内に入っておけない空気たちは、マスクの隙間から、スポスポと出ていきます。イメージしてもらうと、マスク内に十分に空気を入れていると、マスク内の空気たちは外に向かって「出して出して」をしている、そんな時に外部にある水は入ってこれない、というのをイメージしてみてください。この状態が作れていれば、そうそう水は入ってこないんです。

マスククリアのコツや注意事項

マスククリアにはコツがいくつかあります。まず、鼻から息を吐くのですが、そのためには、まず呼吸をして、鼻から出す空気を確保しなければいけません。その時にうっかり鼻から空気を吸い込んでしまうと、マスク内にあった水が鼻から入ってきてしまい、かなり痛いことになります。ツーンとするあれです。経験したことがある方がたくさんいると思います。

そこで、レギュレーターを使った空気の吸い方に共通しますが、鼻から空気を吸わないようにして、口からだけ空気を吸えるようにする、ちょっとしたコツがあります。
それは、「目の前にストローをイメージして、ストローで飲み物を飲むような感じで空気を吸う事」です。ストローで飲み物を飲むことをイメージしてもらえると分かると思うのですが、ストローから吸っているときって、鼻からは息を吸わないんですよね。マスク内に水がある時には、まず、このことを意識しながら空気を吸ってみてください。鼻から吸わなくなるので、安心して空気をストックできますよ。次に、鼻から息を吐くときです。
この時は、ちょっと変な感じですが、目の前にケーキとろうそくがあることを意識して、そのろうそくの炎を鼻息で揺らす、くらいのイメージで鼻息をだしてみてください。炎を消す、ではありません。炎を揺らす、です。マスククリアの際に、鼻息を大量に、一気に出してしまうと、マスク内がガチャガチャして、うまく水が出ていきにくくなります。
ソフトに鼻息を吐いた方が、速やかに、確実にマスク内に空気が充満して、水も外に押し出されます。これもちょっとしたコツです。
それと、緊張していると、鼻からも吐きながら、口からも吐く、というちょっと器用な息の吐き方になってしまう方もいます。鼻息でろうそくの炎を揺らすんだ、と思うと、口からは息を吐かなくなりますので、これも理にかなった方法になります。そして、もう一つは、マスククリアをする際の姿勢です。まだまだ経験が浅くて、落ち着いてそれができないな、と思う方は、無理をせず、一度着底するなり、何かに掴まるなどして、体を安定させましょう。そして、最後に、鼻から息を吐く際には、顎をあげて、やや上を向くような感じになってみてください。下を向いているとマスク内の水が外に出ていきにくいです。

慣れてくると、思った以上に少し鼻から息を吐くだけでマスク内の水が外に押し出されるということがわかってきます。あとは練習あるのみです。

練習の仕方

マスク内に水が入ることに強い抵抗がある方は、安心できる場所で練習するのも一つの手だと思います。例えば、自宅のお風呂でマスクだけつけて、顔を湯船の中に沈めて練習、というのもありだと思います。湯船の中で練習するときには、口にはレギュレーターはないはずですので、口を閉じているので、鼻からだけ息を吐くという感覚もつかみやすいと思います。それに慣れてきたら、今度はシュノーケルを咥えて練習してみたらよいと思います。お風呂の中で何しているんだろう?と少しおかしな感じがするかもしれませんが、湯船なら、何か問題があればすぐに水面に顔を出せますし、何より、自分一人だと思いますので、緊張することなく練習することが出来ると思います。

やっぱり自分に合ったMYマスクがあった方が良いです

おしまいに、MYマスクの良さをお話します。
マスクをレンタルしていると、もしマスクに水が入ってきた場合に、その原因がはっきりしません。原因として考えられるのは、髪の毛などが挟まっていた、シリコンが折れたまま装着していた、シリコン部分がフードなどにかぶっていて隙間ができていた、自分の顔の形に合わなかった、シリコンが固くなっているマスクだった、マスクブローがうまくできていなかった、マスクのバンドがきつすぎた、緩すぎた、などです。そんな時に自分の顔に合った、自分のマスクがあれば、もしマスクに水が入ってきた場合には原因はかなり絞られます。

マスクに水が入ってくるのが心配な方にとってはこれ以上の安心はないと思いますし、心配がない方にとっても、マスクに水が入ってこない方が良いに決まっています。
現在は、日本人の顔にあったマスク、男性用マスク、女性用マスク、小顔の方向けのマスク、など、本当にいろいろなマスクが手に入りますし、マスク自体の性能も、昔に比べて飛躍的に向上しています。自分のマスクがあれば、一度バンドの調整をしてしまえば、ダイビング前に、きつすぎるかな?緩すぎるかな?などと心配をしながら、いそいそとバンドの調整をする必要もありません。

もし、自分のマスクをお持ちでない方は、ぜひ、自分の顔に合った、使い易いMYマスクを手に入れてください。

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